タリス・スコラーズ 結成50周年日本ツアー特別インタビュー〔前編〕

タリス・スコラーズの5年ぶりの日本公演に先駆け、結成50年を記念してのアジアツアー終盤、第52回香港アーツ・フェスティバルに出演していたアーティストを弊社スタッフが訪ねました。
香港で行われた3日間のコンサートでは、ルネサンス時代の作品から現代音楽までをそろえた<バースディ・プログラム>、ジョスカン・デ・プレからパレストリーナ、モラーレスからヴィクトリア、そしてアレグリの〈ミゼレーレ〉を含む<システィーナ礼拝堂の音楽>、<Darkness to Light>の3つのプログラムを披露し、いずれも満場の聴き手を魅了しました。
(2024 年3月 香港にて)(聞き手・文:テンポプリモ)

エイミー・ハワース(左)、ロブ・マクドナルド(中央)、ピーター・フィリップス(右)

 

P=ピーター・フィリップス A=エイミー・ハワース R= ロブ・マクドナルド T=テンポプリモ

T: タリス・スコラーズ結成50周年、おめでとうございます。メンバーの皆さんはアジアツアーで現在香港に滞在され、本日からマスタークラスと3日間連続のコンサートを控えていらっしゃいます。まず初めに自己紹介からお願いできますでしょうか。まずはAmyさんからお願いします。
A:  タリス・スコラーズの一員でソプラノを担当しておりますエイミー・ハワースです。約20年間当楽団に所属しています。20年!もうそんなになるんだ、と。(笑) この先もそのくらい歌い続けると思います。
R:  こんにちは。ロブ・マクドナルドです。タリス・スコラーズでは、低音の方のバスを担当しています。私が楽団で歌い始めたのは、30年前になりますね。
P: タリス・スコラーズの創設者、ピーター・フィリップスです。このグループは50年前、私がオックスフォード大学の学生だった頃に創られました。私は当時オルガンの奨学生だったのですよ。オックスフォードで知り合いの歌手たちを集めて、当初はオックスフォードを拠点に活動していました。

イギリスのアカペラ男女混声アンサンブル、タリス・スコラーズは1973年の発足からこれまで世界各地で2,500回以上のコンサートを行い、CD録音は60枚にも及ぶほど。ルネサンス期の作品をはじめ、ヨーロッパの古楽から現代作品までを歌っています。

T: 現在、年間ではどのくらいのコンサートをされているのですか。
P:  80回ほどですね。始めたころは少なくとも年間80回は行っていました。一昨年は83回、昨年は80回の公演を行いました。
T:  今がアジアツアーの最中ですね。
P:  そうです。でも日本が入っていないのですよ。でも今回やっと再び日本を訪れることができます。昨日までは中国大陸の上海と北京に行き、それからシンガポール、ここ香港、と。この後台湾にまいります。中国のホールはとても大きく、どのホールでも満席でした。お客様はとても反応がよく、喜んでくださいました。嬉しかったですね。中国のお客様は情熱的でした。
R:  そうでしたね。
T:  いずれのコンサートも大成功を収められたことがうかがえます。さて、ピーターさんは執筆家としての活動もされていますね。
P:  はい。(笑)今までいろいろ書いてきましたよ。今でも毎日執筆しています。
(ピーター・フィリップスは文筆家としても知られ、イギリス最古の週刊誌で文化・政治・時事問題を扱う「The Spectartor」に33年もの間、音楽コラムを執筆していました)
P:  昨日は移動中の機内でずっと書いていました。一度書き始めると止まらないのです。
T:  まあ! それは一度拝読したいと思います。

インタビューは後半へと続きます。

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