【インタビュー】タリス・スコラーズ指揮者 ピーター・フィリップス
5年ぶりの来日となる世界最高のアカペラ声楽アンサンブル、タリス・スコラーズ。グループの創始者であり指揮者のピーター・フィリップスにインタビューを行いました!
ピーター・フィリップス(指揮) Peter Philipps
1953年英ハンプシャー州サウサンプトン生まれの指揮者。72年にオックスフォード大学に奨学生として入学し、ウルスタン、アーノルド両教授のもとでルネサンス音楽を学ぶ。73年に合唱団“タリス・スコラーズ”を創設し、80年には独自レーベル〈ギメル・レコード〉を設立して数多くのレコーディングを行なう。学者・著述家の顔を持ち、欧州各国の中世音楽や宗教音楽の研究や普及に寄与して2005年に仏文化省から芸術文化勲章を受章。また、英ラトランド州オーカム開催のサマースクールで若手の育成に力を注いでいる。
ータリス・スコラーズはルネッサンス音楽の演奏がライフワークになっていると思います。ずばりルネッサンス音楽の魅力は?
私にとってルネッサンス音楽の魅力は無伴奏の最も美しい楽器である人間の声のために書かれていることです。もう一つの魅力は、ポリフォニー*(本質的には同じものですので、対位法と言ってもいい)であることです。バッハのフーガでも、ワーグナーの合唱曲でも、タリスのモテットでも、ポリフォニーは私の一番好きな音楽です。
*複数の独立したメロディーが同時に演奏される音楽。主に中世とルネサンスの音楽に特徴的である。
ー「システィーナ礼拝堂からのひらめき」という演奏会タイトルですが、曲目を決めるうえで特に重要にしていることはなんですか?
システィーナ礼拝堂プログラムは一目瞭然で、すべての音楽はその象徴的な空間のために書かれたか、そこで働いていた作曲家によって書かれました。パレストリーナとアレグリをはじめとして、おそらくルネッサンス史上最も有名な作品であるアレグリの「ミゼレーレ」も含まれています。
ー5年ぶりの来日ですが、最後に日本の音楽ファンにむけて一言、メッセージをお願いします。
皆さんとの再会を心より楽しみにしております。コロナ禍の時期は誰にとっても大変な時期でした。タリス・スコラーズは17ヶ月間も活動できない時期がありましたが、今回日本に帰ってきて、これまで以上に若々しく(私だけはもう若くありませんが)そして情熱的に私たちの最高のレパートリーを皆さんに披露します。タリス・スコラーズのコンサートの独特な雰囲気をどうぞもう一度味わってください!
公演情報
システィーナ礼拝堂で400年継承される秘曲「ミゼレーレ」は必聴!
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