ウィーン放送響2024年日本ツアー 角野隼斗氏インタビュー [前編]

世界の名だたる楽団で活躍中の指揮者マリン・オルソップが首席指揮者を務めるウィーン放送交響楽団。8年ぶりに待望の来日ツアーを行います。今や現代最高の女性指揮者と名高い彼女がソリストに熱望したのは、大人気ピアニスト角野隼斗さん。2022年ポーランド国立放送響日本ツアーでの共演に続き早くも実現したオルソップとの“再会”を前に、最近のご様子とツアーへの思いを伺いました。前・後編に分けてお届けします。
(聞き手・文:道下京子)

©Ryuya Amao

拠点をニューヨークに移して新たな生活

――2023年からお住まいのニューヨークではどのようにお過ごしですか?

さまざまなジャンルのミュージシャンに会って、セッションをしたり、ジャズクラブを訪れて、あるときにはライブに飛び入りでリハーサルに参加させてもらったりしています。 新たなことを学ぶことと、交流することをとにかく大事にしています。ただ、いろいろな場所へ行っているので、NYにいる期間は限られています。これをフルに活用しなければという気持ちになって、それで音楽に限らず、積極的にいろいろ…例えば、画家やダンサーと何か即興でやってみることもあります。

――ニューヨークでお会いした人の中で、最も刺激を受けたと思う人はいますか?

矢野顕子さんには刺激を受けましたね。ご自宅に呼んでいただき、お好み焼きを作ってくださいました。 それから、ジャズシンガーのホセ・ジェイムズさん。今はロスにいますが、ニューヨークにもよく来ていて、コラボさせてもらいました。落ち着いていて、すべてに達観しているような雰囲気があります。それでいて、常に新しいことを取り入れ続け、ミュージシャンシップなど影響を受けるものがとてもありましたね。

今回共演するオーケストラ・指揮者について

 ――ウィーン放送交響楽団とは、これまで共演したことはありますか?

オルソップさんとは共演させていただくことがありますが、ウィーン放送交響楽団との共演は初めてですので、とても楽しみにしています。 今回、モーツァルト《ピアノ協奏曲「戴冠式」》を演奏します。モーツァルトがウィーンにいた頃の作品を、ウィーンのオーケストラと演奏できるのは、自分にとっては特別なことだと思っています。モーツァルトが当時のウィーンで演奏していたような響きに近いものを、僕とウィーン放送響との共演で目指すことができればと思っています。

――オルソップさんとは、以前にもポーランド国立放送交響楽団とのツアーで共演しています。今回、指揮者のオルソップさんからご指名を受けて再び共演することになりましたね。

オルソップさんはとても優しくて、その優しさが共演する間にも感じられる指揮者です。僕のやりたいと思う表現に繊細に反応してくれる一方で、カリスマ性とショーマンシップも兼ね備えていて、バーンスタインの弟子だということがとてもよくわかります。繊細さがありながらも、「ここはついてきなさい」と言わんばかりの、自然と導かれるような感覚もありますね。

――オルソップさんのタクトには、熱いものを感じます。

それは、間違いなくあると思います。演奏していてもそう感じます。やはり、共演者や聴き手の心をどのように躍動させているかという考えを持っている人なのではないかと思っていますね。


次回後編は、共演する曲目「モーツァルト:戴冠式」について語っていただいた様子をお届けします。 お楽しみに!

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